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いわき海洋調べ隊「うみラボ」活動のきろく

いわき市に誕生した、有志による団体「うみラボ」。けんきゅう員が日々の活動やイベントのお知らせを綴っていきます。

火力吐き出しで釣られたクロダイを測ってみた件

ご無沙汰しておりました。うみラボけんきゅう員八木です。少しずつ暖かくなって春の訪れを実感する今日この頃です。

いわきの冬はそれほど釣りものが多くなく、堤防から狙えるのはアイナメメバルなどの魚種に限られてきます。特に2月〜3月頃は水温も低く魚の活性もいまいち高くないため、私みたいな人間は趣味といえども釣りをさぼりがちになってしまいます。

しかしながらいわきの釣り人はたくましい。例のトビヌケ釣具店から、魚が少したまりましたよと連絡がありました。この寒さの中でもやってる人はやってますね〜見習わなければ!!(口だけ番長)

今回、お客さんから預かった魚はアイナメ2匹と、クロダイだそうです。

おお! クロダイ!!

実はクロダイという魚種もなかなかに放射性物質が検出されやすい魚種でして事故後2年近く経った時期にかなり高い数値が検出されニュースにもなった魚です。持ち込まれた方もかなり大きい個体だったため、不安に思い、測定を依頼してきたようです。

その大きさなんと50cm弱!!かなりの大物です。さすがに事故以前産まれの個体でしょう。もしかしたら少し高い数値が出るかもしれません。

釣った場所はどこですか? と聞きます。

そうです。そちらも重要。決して人様の釣った場所の情報を得ようとしてるのではございませんよ!!(白目

この大物クロダイ、「火力吐き出し」で釣れた個体のようです。

火力吐き出し。いわきの釣り人には定番の場所なのですが、ブログをご覧の方の中にはご存知ない方も多いでしょうから説明致しますと、いわきの南部、鮫川の河口にある「常磐共同火力発電所」の「温排水吐き出し口」なんですね。

そうなんです。温排水が流れ出ているために、この吐き出し口周辺は水温が少し高く色々な魚が集まってくるのです。特に冬場は顕著で、今回釣れたクロダイやらヒラメやら、それとそれらを狙う釣り人なんか温排水に寄ってきます(笑

また南方回遊系で死滅回遊魚と呼ばれる魚(春から夏に黒潮に乗って幼魚がやってきて、冬を越せずに死滅してしまう魚)も集まります。俗に言うメッキアジとかそういうやつです。結構いろんな魚が冬に釣れたりするので人気スポットなんですね。


さてさて、そんな「火力吐き出し」で釣れたクロダイ。どれくらいの数値が出るんでしょう。とても気になります。。。

はい。そいうわけで結果です。今回もアクアマリンふくしまさんに測定を依頼しました。

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なんとN.D


そしてアイナメ。こちらは少し1匹では量が足りなかったためあくまでも参考程度にとの事です。

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こちらもN.D。アイナメは今までもかなり測ってきていますがほとんどの個体がN.D~数Bq/kgですね。



さて、クロダイの結果についてですが、今回もアクアマリンふくしま獣医富原先生にコメントを頂いております。

富原せんせい曰く

クロダイはまれに100Bq/kg超える個体が出る魚ですが、小名浜近傍のクロダイは低い傾向です。
クロダイに関しては原発より北の海域、たとえば仙台湾でも100Bq/kgを超えるような個体が見つかることがまれにあります。
ある時期にまとまって仙台湾で漁獲されるとのことから、仙台湾クロダイの繁殖海域になっている可能性があり、まれに100Bq/kg基準を超えるクロダイが見られることから福島県北部に生息するクロダイの繁殖海域も仙台湾なのかもしれません。
小名浜周辺のクロダイの数値が低いのは福島県北部のクロダイの繁殖海域と異なるのかなぁと勝手に推測しています。


なるほど!

そういった繁殖地域がどこかなどの関係もあるのかもしれません。さすがにそこまでは考えた事もありませんでした。クロダイは宮城などの一部地域でも出荷制限がかかってるところがまだあるのでそういった可能性もありそうですね。

またその宮城県にいらっしゃる津田せんせいからは次のようなコメントをいただきました

津田せんせい曰く

クロダイは昔から初夏の産卵時期のノッコミの時は名取市閖上の防波堤から釣れていたのですが、10年ほど前からちっこいのが金華山付近の定置網にかかるようになっています。おそらく温暖化の影響でどっかの根に居付いているんだろうと言われてます。


なるほど。温暖化等の影響もあって県北のクロダイも北に行ってるのかもしれませんね。

しかしながらこの50cmにもなろうかというクロダイがN.D。でもやはり1匹だけではまだ判別出来ないのでもう少し個体が欲しい所です。

そうそう、それと釣具店の方から嬉しい報告がありました。実はこの地元釣具店「トビヌケ釣具店」さんもうみラボ1F調査に何度か乗船してくださってます。私たちうみラボの活動に深く共感してくださり、トビヌケ釣具店さんでもこういった地元の魚についての放射能量などの調査、情報発信をHPや店頭等で行ってくださるそうです。

自分たちの好きな事は自分たちで知る、調べる、発信する。必要な所にはまだまだ必要な事かもしれません。まあ、あまりしゃっちょこばらずにボチボチと楽しみながらやていければいいなと思います!

ではまた!