いわき海洋調べ隊「うみラボ」活動のきろく

いわき市に誕生した、有志による団体「うみラボ」。けんきゅう員が日々の活動やイベントのお知らせを綴っていきます。

小名浜沖のイシガレイとクロソイを測ってみた件

こんにちは。魚の釣れない釣り師、うみラボけんきゅう員八木でございます。

さて、暖かくなってきたなと思ったらまた冬に逆戻り! みたいな安定しない日々が続いておりますが、今年ももう4月。すっかり春!新年度!という感じになってきましたね。

小松けんきゅう員が先日UPしてくれたように、うみラボも始動! 今年も1F沖調査も再開しました。春先はメバルを狙ってみよう! ということになっております。

しかしですね…実は私八木は「うみラボ釣りキチ担当」という事になってはおりますが、元々おかっぱり(船に乗らず陸からの釣り)専門でして、船の釣りは全くのド素人なのです。恥ずかしながら船用の釣り具なんて持ってません(だって高いんだもの)

いつもお世話になってる船長からは『船釣りとしては正直グレーゾーン(笑)』とまで言われる始末。さすがにこのままじゃいかん!うみラボの権威に関わる! ということで、うみラボで使用する船用のリールと竿、それとメバル用の仕掛けを買いにいつもの釣具屋さんへと足を運びました。

遊びじゃありません! これも調査の為なんですよ!(真顔


いつもお世話になっているトビヌケ釣具店に入るや否や「八木さん!魚ありますよ!」と店員さんから声をかけられます。

おお!そうでしたそうでした。

忘れちゃいけない『いわきの海で釣れた魚を測ってみよう企画』は依然として継続中なのです。最初は船を出さない冬の間だけの予定ではありましたが、釣具屋さんも協力してくださってるし、なにより「測ってほしい」という方が少なからずいる。まぁそれだけでも続ける意義はあるのかなーと思います!


さ~て今回はどんな「いわきで釣れる魚」なんでしょう!

というわけで今回お預かりしたのは『イシガレイ』そして『クロソイ』です。どちらも小名浜沖、船釣りで釣れた個体ということです。

おお! カレイ!

先日うみラボで企画したサイエンスバー『カレイナイト』でも紹介した通り常磐の海はカレイの宝庫なのです。

釣り人御用達のweb魚図鑑『ぼうずコンニャク』さんの魚図鑑
イシガレイ 市場魚貝類図鑑
にも福島産や茨城産が多いと書いてありますね~

さてまずはそのイシガレイ!
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そして結果!
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そしてクロソイ!
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そしてクロソイの結果!
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結果は、

イシガレイ       Cs137:19.9Bq/kg Cs134:N.D.
クロソイ(3個体合計)  Cs137:N.D. Cs134:N.D.

こんな結果が出ました。さて今回出た数値に関してもアクアマリンふくしま獣医、富原せんせいよりコメントを頂いております。

カレイは大きかったので少しでますね。産卵後で痩せていましたので50センチオーバーでも測定に必要な筋肉量の500gが取れませんでした。ですので参考値扱いです。

クロソイは3個体で測ってN.D.です。1Kgで測っているので検出限界も低いんですが、それでも数値は出てきませんでした。クロソイまで出ないとなると、なに測ればいいのやら…まあ、この手の根魚はムラがありますので、継続的な調査が必要です。

ということです。

また、富原せんせいが言うにはカレイは10歳は越えているとのこと。成長の速い若い頃は大きさで年齢がわかるそうなのですが このサイズだと断定するのは難しいようです。一方、クロソイは案外成長が早く35センチで3歳くらいだそうです。

ふむふむ、なるほど。

今までのうみラボの調査の結果から、今現在でもある程度数値が出るのは『比較的浅場に生息している魚』で『移動をあまりしない魚』に多く、それでいて『震災時既に成魚だった魚』に多く、上記に当てはまっても震災時産まれていない個体からはほとんど検出されないということがわかってきています。

また、先日のメバルの記事でも富原せんせいが仰ってましたが、最近のニュースでメバル放射性セシウムの濃度は加齢と関係するという福島大学環境放射能研究所の報告があったそうです。

そして、これはあくまでも個人的な意見なんですが、釣りをしていると良く聞く話で、川で釣れる1mを越すような超大型のスズキはヒレにコケが固着していたり、クロダイも大型の個体はフジツボみたいなのがくっついてたりするのがいるみたいです。

やはりどんな動物でもそうですが、歳をとるとあまり頻繁に動かなくなり、代謝が悪くなるのかなーと。うちのワンコなんて10歳超えたらほとんど散歩しなくなってきたし!

だから特にメバルやカレイのような『あまり移動をしない、且つ寿命が10年以上あるような魚』は大きければ大きいほど(歳をとればとるほど)、数値が出る可能性がある、というか、事故当時の放射性セシウムが排出されにくいのかな? などと感じます。

まぁあくまで一般の釣り人が感じたというだけなんですけどね(^^;

というわけで、今年の1F沖調査も始まりましたが、引き続き『いわきの海で釣れる魚を測ってみよう企画』は続けていこうと思います! よろしくお願いします!