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いわき海洋調べ隊「うみラボ」活動のきろく

いわき市に誕生した、有志による団体「うみラボ」。けんきゅう員が日々の活動やイベントのお知らせを綴っていきます。

うみラボ第3回福島第一原発沖調査レポ(後編2)

7月19日に開催されたうみラボ「第3回海洋調査」の振り返り記事、今回が最終回です。

前回は福島第一原子力発電所沖2.5kmで釣ったヒラメの測定結果についてレポートしましたが、今回はアイナメの結果についてお知らせします。

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アイナメ 2個体平均全長319mm / 体重443.4g
セシウム137 N.D.
セシウム134 N.D.
セシウム合計 N.D. (検出限界76.9ベクレル

こちら、両方とも計測に必要な大きさ(筋肉で500g)に満たなかったため、2匹分の筋肉を使って計測しています。さらに「仮測定」であり、測定時間も24分と短めです。ですから検出限界が76.9と高いです。時間をかければかけるほど検出限界の値も小さくなり、それだけ精緻な数値が出てくるのですが、富原せんせいに確認したところ、スペクトルの形などから「かなり低め」であることが予想されましたので、24分で計測を終わっています。

要するに、「何ベクレル入っているか」よりも、「国の基準値以下であることがわかればよい」という目的で計測をしたということです。ここはご注意ください。

なぜ「仮測定」かというとですね、本来、食品の放射性物質を計測する際は、均質にするために「すり潰して」計測するんですが、すり潰してしまうと「刺身で食べられない」のですよ。ですので、サクの状態で「仮計測」をして、少なくとも国の基準値以下であればそれを食べようと、そういう主旨での「仮測定」なわけです。

もちろん、うみラボの活動の主旨は「食べよう」ではありません。ともかく今回は「釣って測ろう」という主旨です。でも、測った結果「基準値以下なら食べたい」という声は否定できませんし、同様に「食べない」という選択ももちろんアリです。食べるか食べないかは、あくまで参加者の皆さんに判断を委ねるというのがうみラボのスタンスです。

常磐沖のアイナメといえば、日本で一番ウマイと言いたくなるくらいの代物でして、実際に築地などでも高値で取引されていました。震災後、これだけ長い間、常磐沖のアイナメを食べられなかったわけですから、「安全だったら食べたい」という声は理解できます。

それでも原発沖で釣ったアイナメですので、「ヤバいんじゃないか」と思う方も多いと思いますが、今回計測したアイナメが両方「小さい」ということが大事なカギです。前回の調査でも触れてますが、30センチ程度のアイナメであれば、震災後に生まれた個体であると想定され、「放射性物質を体内に取り込んでいる可能性は低い」ことがこの3年あまりの調査でわかってきています。

ふくしま新発売などに掲載されたモニタリング調査の結果からも、100ベクレルを超えるようなアイナメの個体は極めてレアな状況になっています。今回のアイナメも①体が小さい、②仮測定でN.D.だった、この2点から「大丈夫」と判断して刺身で食べた方がいらっしゃった、ということです。

やはり、自分たちで釣って、それを自分たちの目の前で測るという体験が大きいのかなと。それに、信頼できる方が調査や測定について事細かに説明をしてくれるのがやはり大きい。ですから私たちは目の前の数値を「納得」できるわけです。

前回のレポートでもお伝えしましたが、今回釣り上げたヒラメ1匹から138ベクレルセシウムが検出されました。ですので、「福島の海は安全!」などとは言えません。さまざまな関係機関から、モニタリングの調査の結果も公開されていますが、まだまだ慎重に調査を続ける必要があると感じています。

とはいえ、少なくとも一括りに「福島のヒラメは危険」という状況でないことはわかりました。大きさや生態によって個体差があるということです。これがわかっただけでも大きな収穫でしたね。

うみラボはシロウトの集まりではありますが、調査を重ねるほどに知識がついてきていることを実感します。今後も、さまざまなクロウトの方の力をお借りしながら、福島の海のことについて自分たちで調べ、自分たちで発信していきたいと思っています。

次の調査もさっそく予定が決まってきました。調査の模様は、またこちらで。